あらまほしき研究者~第11話 中西準子先生  2011/03/25

 東日本大震災というとてつもない出来事が起こらなければ・・3月下旬の話題はこれにしようと決めていた。もはやお辞めになった後はなにを書いても「お世辞/おべっか」とは思われないだろう。利害関係者ではなくなった。3月末に予定していた追い出しコンパも中止になったが、「大変、お世話になりました。心から感謝します。お疲れ様でした。」と心から申し上げたい。実のところ、私がこのように素直に上司を褒めることは滅多にない。なぜなら、B型研究者の特徴で「自分が一番、偉い!」と信じて疑わないからだ。今回は、そんな私が心酔&脱帽とまではいかないまでも、「さすが!」と思った中西先生のことを書いてみたい。

 まずは、思いつくままに書き連ねてみよう。中西先生はある種の近寄りがたいオーラを放っている。ものすごい鼻息の荒い本を書いておられたので激烈な女性かと思えば、案外、物静かで優しい。それどころか、「もののあはれ」を解する風流なところもある。お忙しいのに〆切に遅れない。メールのやりとりもスキがなく、気配りも忘れない。研究に対する姿勢がとても真摯。プレゼン資料にこだわり、良いものを作りたいという熱意を感じる。絶対にA型だと思うのですが、当たりですかね?しかし、なんといっても「すごい!」と思ったのは強いリーダーシップだ。

 おそらく、意識して「リーダーシップをとる」という行動の前に、「リーダーシップとは何か?」とか、「この部門をどうすべきか?」という本質的な問題について熟考されていたのだろう。到底、収拾がつかないような問題でも「こういう理由でこうしたい」という明確な主張をされていた。時には「異議あり」と思うこともあったが、うまくいかなかった場合に責任を取るのは最高責任者たる部門長なのだから、当然のことだ。爆発という特殊な領域についても、見捨てることなく、理解しようという強い意欲を感じた。老朽化の激しい爆発施設の改修も実現したし、手詰まりだった人の問題にも風穴を開けて頂いた。中西先生の熱意オーラに依るところが大きい。

 このコラム欄についても、「コラムというのは上司から部下へのメッセージだ。一定以上のポジションの方はコラムを書くべき。」と我々グループ長を諭し、中西先生自身が率先して投稿されていた。もし、そうしなかったらうまくいかないということを理解されていたので、「意識してリーダーシップをとった」のだろう。私自身、文才がないのは重々自覚しているが、私の生きざまとか研究に対する考え方を「書いたもの」で発信することは私という人間を知って頂くために意味があると思う。今、コラムの更新が滞っているが、是非、部門幹部の皆さんの執筆を期待したい。

 ちなみに中西先生が部門長の時には、「中西先生」ではなく、「中西さん」と呼ばせて頂いた。「研究者に貴賤上下の差別なし」という世界で同じ仲間なのに「先生」と呼ぶのはおかしい。しかし、次にお会いするときには尊敬の意を表して「先生」と呼ばせて頂く。ともあれ、私にとっては興味津々の「生き物(失礼!)」だった。まだまだ、伺ってみたいことが山ほどある。もし、機会があれば2泊3日くらいで合宿して激論をお願いしたいくらいだ。お暇ありませんかね?中西先生!